男っぽい女の子の恋愛事情。
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「今日は中庭行こっか!」
萌の提案に「おう」「うん!」と賛同し、中庭へ向かう
ココの高校の中庭、なんか好きなんだよね
「さ、食べましょ!」
中庭のベンチに座り、膝の上に弁当を広げる
「んまっ」
「あ、凛の卵焼き、もーらい!」
「あ、この!」
私の『杏樹特製卵焼き』が……
「萌のウィンナー、もーらい!」
萌の弁当似合ったウィンナーを箸でひょいっととり、パクっと食べる
「あ、もっと食べて!
私、ウィンナー嫌いなの!」
え!?
くそー!
「いらねー…」
やっぱ萌には負けるわ…
……って
「美里、食わねーの?」
「へ…?あ、いや、その……」
ん?
美里の顔を覗き込んだら、目にたくさんの涙を溜めていた
「え、どうした?
体調でも悪いのか?」
「いや、違くてっ…その…」
ポロポロと涙を流す美里
「ちょ、美里!?だいじょぶ??」
萌も慌てて美里の前に跪く
「美里、どうした?」
「その…っ、凛ちゃんと萌ちゃんとお昼食べてることが夢みたいで…
友達って言われて嬉しくて…っ」
あー、そういうことか
「夢じゃねぇから、泣くな
美里と私と萌は、友達だ」
「ぅ…っ……ありが、とう」
美里はそう言って笑った
美里にとって私と萌が初めての友達だったのかもな
「とりあえず、お昼食べちゃお?」
「うんっ」
美里は涙を拭い、とびきりの笑顔で笑った