男っぽい女の子の恋愛事情。
「ごちそーさま!」
萌がパチンと手を合わせ、お弁当をしまう
「帰っかー」
私はあくびをしながら立ち上がる
美里はもう泣き止んで、照れ臭そうにえへへとわらう
「てかさ!
美里に気づいたらみんな驚くよね!」
「あー、確かに」
あんな地味な子がこんなに可愛かったなんてな
男子にモテモテだろうな
「そ、そんなことないよっ」
「あるってあるってー!
あー、教室行くの楽しみだね〜!」
そう言ってスキップする萌
苦笑いしながら歩く美里
「美里、自信持てよ
美里は、めっちゃ可愛いよ」
「わ…ありがとう、凛ちゃん!」
美里は嬉しそうに笑った
「ついたついた〜
さー、開けますよー!」
萌が開けるより先に私がガラッとドアを開けて教室に入る
「きゃー!やっぱりカッコいい!」
「一生凛様についてきます〜!」
ついてこなくていいし
てかついてくんな
「あ、ちょ、凛!
なんで先行っちゃうのよ!」
後ろからプンプン怒る
「萌ちゃんも可愛い…」
「萌様憧れるー!」
「あれ?美里は?」
「ん?美里!?どこに…っていた」
萌が指差す先を辿ると、ドアの前でモジモジしている美里がいた
「美里、だいじょぶだから」
私はそう言って美里の腕を掴み教室の中に入れる
「わっ……」