男っぽい女の子の恋愛事情。
美里が入ってきた途端、私と萌と美里以外の人が息をのむ音が聞こえた
「り、凛様…その人は…?」
「美里。加藤美里だよ」
私は美里の肩を抱きながら言う
「そ、そんな可愛い子が美里ちゃんだなんてありえないわ!」
花沢が慌てたように言う
「残念だけど、美里なんだなぁ〜♪」
萌も美里の脇に立ち言う
「そ、そんな……っ」
「この子、美里だから。
あ、あとそれから…私の大事な友達の美里、傷つけたら許さないかんね?」
私はギロっと教室にいた全員を睨む
「あ、天野さんの友達!?」
ありえないと言いたげな顔で聞く花沢
「そ、友達。」
「な、なんであんなやつが…!」
花沢が悔しそうにつぶやく
「あ?あんなやつってなんだよ」
「ひっ…なんでもないです!」
少し睨んだだけで肩をビクッと震わせる
「ってことだから、みんな仲良くしてやって?」
「はい!凛様がそう言うなら!
よろしくね、美里ちゃん!」
「美里ちゃん、私と友達になろ!」
「美里ちゃーん、今度遊ぼうよ!」
一気に美里の周りにみんなが押し寄せる
みんなの中にいる美里はとても嬉しそうに笑っていた
ふと、美里と目が合った
「よかったな」と口パクしたら
「ありがとう」と目に涙を溜めながら返してくれた