男っぽい女の子の恋愛事情。
私はふわぁーとあくびをしながら講義室を後にする
今日の夕飯は何かな〜
「あの、天野さん!」
「ハンバーグがいいな」
「へ?」
あ、やべ
思わず呟いちまった
声がした方を見ると、知らない男子が立っていた
「あー、呼んだ?」
「あ、うん
天野さん、もしよかったら俺と友達になって?」
「え、あ、は、はぁ…」
なんなんだこの人
急に友達になってとか
まぁでも友達が出来るのは悪くないからいっか
「よかった」
そう言って微笑む彼をよく見たら、
少し天パがかかった黒髪を無造作に整え、長めの前髪からは切れ長の綺麗な目が覗いていた
んー、世間ではこういうのをイケメンって言うのかな
身長は170cmくらいで私より少し高い
「あー、でも私は君んとこ知らないんだけど」
「あ、ごめん!
俺の名前は神崎宏文- Kanzaki Hirohumi -!
1年A組で、天野さんと同じ体育祭の実行委員だよ」
「かんざき、ひろふみ」
ボソッと彼の名前を呟いてみた
「みんなからヒロって呼ばれてるから、天野さんもそう呼んで」
「分かった、ヒロな」
私は少し微笑んでヒロを見た
あ、じゃ私も…
「私のことも、凛でいいよ」
「え、いいの!?」
心底驚いた顔をするヒロ
そんな驚くことか?
「うん」
「じゃ、凛…って呼ばせてもらいます」
「どーぞ」
名前で呼ぶってそんなすごいことなのか?
ってか、早く帰って夕飯食べたい
「じゃ、私はこれで…」
「あ、待って!」
…なんだよ……
「メアド、交換しない?」
メアド?
めんどくさいからちゃっちゃと教えて帰ろう
「ん」
私たちは赤外線でメアドを交換した
連絡帳には『神崎宏文』の文字
じゃ、もうないよね?
「じゃ、今度こそじゃーね、ヒロ」
「あ、うん!
ばいばい、凛」
ヒロは照れたように笑った
今日は二人も友達が出来た
って、美里のメアド聞くの忘れた!