男っぽい女の子の恋愛事情。
やばい、私病気だ




______________



体育祭から数週間たった




足と腕の怪我は、かさぶたになっていて、少しむず痒かった


今は7月に入って5日目くらい



あと少しでテストがある



「はぁ…」



「ちょっと凛、そんなため息ついてたら幸せ逃げるわよ」




私は前の席で鏡を見ながら髪の毛を整える萌をジロッと見る




「しょうがないよ。
高野くん、人気者だもんね」



「なっ!?」



突然美里がそんなこと言うから私は思わずガタッと立ち上がった


「あら、図星?」




「ち、ちげーよ」



私はサッと椅子に座り机に頭を伏せる



「図星みたいね」



ふふっと萌の笑う声と「そうだね」っていう美里の声が聞こえたけど無視無視



チラッと腕の隙間から教室のドアを見ると



………まだしゃべってるよ



ドアに寄りかかりながら、可愛らしい先輩と話す優が見えた



確かあの先輩は男バスのマネで、今高2



……最近、優によく会いに来る




そんな光景を見るたびに私の心臓がズキっと痛む




やばい、ほんとに病気だ、私……




心臓がどうかしちゃってる



でもそんな光景を見て頭の中に浮かんでくるのは



『優はあの先輩のことが好きなのかな?』


とか


『もしかしてあの2人は付き合ってるのかな?』




とかそういうのばかり



私、頭もどうかしちゃったみたい





< 65 / 90 >

この作品をシェア

pagetop