よわむし恋愛バトン
「け、ケイタ…」
地毛の茶髪を揺らしながら笑う、幼馴染みの伯方ケイタだった。
指にはめた銀色の指輪が、外の光を受けてキラキラと反射している。
「て言うか……何でここにいるの?!」
声を荒げた瞬間、自分の声が頭に響いてズキンと痛んだ。
顔を歪める私に、ケイタは軽く微笑すると
「何でって……チカを迎えにきたんだよ」
その言葉に、私はきょとんと首を傾げる。
その仕草でさえ、頭に響く。
痛すぎて、目尻に涙が浮かぶ。