よわむし恋愛バトン
頭部を押さえて口を開かない私に、ケイタは怠そうに息をはくと
「お前さぁ、約束やぶって何寝てんだよ。しかも全然起きねぇーし…」
その言葉に、私はバッとケイタを見つめる。
「ねぇ…もしかして、私の頭ぶったのケイタ…?」
そう問えば、ケイタは笑顔でコクンと頷いた。
ついでに、指輪のついた手をヒョコっと上に掲げる。
「つい、こっちの手で……」
そう言いながら、テヘッと短く舌を出すケイタ。
「なっ…!!」
その言動に、空いている左手がわなわなと震える。