待てば叶う
タイトル未編集
 
20××・×・×     娘へ

ご無沙汰です。元気ですか?こちらは元気に過ごしています。
もう貴女には数年間会えていませんね・・・。今度またいつか会いたいです。
そういえばいきなりこんな話をするのは嫌かもしれませんが、一応聞きますね。
昔、私がなれなかった夢を叶えてくれると貴女は言ってくれましたね。
 まだ、それは有効ですか?出来たら叶えて欲しいです・・・。
あと、ひとつ報告があります。私事ですけどこの度再婚いたしました。
一軒家もローンがありながらですが建てました。
 もし、もし貴女さえよければこっちに来て、一緒に暮らしませんか?
お父さんは独りでも大丈夫でしょう。もしよかったら考えてみてください。




 「お前。」
 
 「ん?」

 「あいつの所に行くのか?」
 
 「いや、今んところ考えてないけど。」
 
 「どうせあっち行っても私の居場所はどうせないし。何、行ってほしいの?」

 「別に、お前の好きにすれば。父さんには関係ないしな。」

 相変わらず素っ気ないコメントだ事。そりゃ関係ないだろうけど
 
 仮にも自分の娘なんだから少しぐらい気を使ったらどうなのかね。

 別にそんな「行くなよ。」とかそんな言葉期待してるわけじゃないけどもう少しだけでも

 温かい言葉かけられないのかね・・・。

 「そうだ、お前大学とか行こうって考えてるの?」

 「さー、どうだろうね。まだ将来や未来の事なんて予測不可能だしね。」

 「随分余裕があるもんだな。」

 「まだ高1だし、あと半年か1年後に結論出すよ。」

 「少しでも行こうとかいう気があるなら、バイトとかして金稼いどけよ。」

 「あいよ。てか、今から行くけどね。」

 「ふーん、気を付けて行けよ。」

 「はいはい。ほんじゃ」 
 
 こんなどうでも良い会話が続いていく。こんな事ぐらいしか話すことないんだけどね。

 他人から見れば、そんなのしないでも別にいいんじゃないと思うかもしれないが、

 そうすると、うちでの会話は0になる。

 他人から見るとどうでも良い会話でもうちではそれが立派な会話である。

 数年前までは違ったんだけどね。

 

 

 



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