ニセ笑顔【完】
首だけ声のした方を見るとしけた顔をした番井護がいた。
「そんなしけた顔するとほんと殺したくなる」
「ハハっ・・ごめんな、詩兎。今分かった。詩兎の感じた事。俺・・殺されて当然だったな。」
「・・あんなドヤ顔私に見せつけたのに?」
嫌味ったらしくいうと
「あの時はホント命拾いしたって思ったのは本当。」
自嘲的な笑いをした護。
「でもさ・・俺は、これからチャンスが巡ってきたって事だよな。皆の分まで・・俺は生きるよ」
「私的には死んで欲しいけどね」
「ハハっ・・ほんと・・ごめんな」
プツンと何かが切れた。
「ごめんで私の人生済まされたくない!!!」
もう血が上っていた。