ニセ笑顔【完】
あれは小学6年生の事・・
「詩兎ちゃんって長谷部君好きなの?」
クラスの女の子の一番中心の万由ちゃんが私に聞いてきた。
長谷部君とは、運動抜群でそこそこイケメンでいつも明るく皆から人気者だった子。
最初はそんな好意よせてなかったけど、長谷部君が話しかけてきて少しずつ気になっていった。
「・・え。・・う、うん」
恥ずかしくて俯きながら言うと
「ヒドイ!!それ、私が長谷部君好きって知っててのことだよね!?」
「・・えっ」
知らなかった。と言おうとしたけど、万結ちゃんの周りに居る女の子の圧で言い出せなかった。
「・・ご、ごめん」