ニセ笑顔【完】
「私はそんな挑発に乗る馬鹿じゃない」
「だってそうじゃないですか。メリットがなくても私も・・関係者なんですから。あの時・・先輩の傍に、いなかった悪者なんですから」
「そういう時だけ自覚するんだな」
「・・・。・・先輩、ゲーム、してくれますよね?・・私と先輩のけじめのために」
「・・お前は、人を殺したことがあるか?」
「え・・」
「・・あるか?」
けじめをつけるということは、・・お前も人を殺したということ。
「・・わ、悪い奴なら・・」
「頼まれたのだろう。・・警察に。お前は、私のように汚れてない。意思で殺していない・・動かない人形。・・私と違うんだ。そんなもんけじめをつけるなんて言えない。・・・もう私について行くなどとふざけた事を言うな」
そう言って私は扉を閉めた。
・・けじめは、
私でやるから、私の分まで・・お前はしなくていいんだ。
しなくていいんだよ・・・美菜子。
お前は優しいから、私の分まで重荷を持とうとしているなんてバレバレだ。
バカなヤツ。