風紀委員長のとある事情
あっさりとした表情をしていた千堂だったが数秒なにかを考え込んでいる様子。
なにげなく壁に掛けてある時計を見る。
もうすぐで1時間目が終わっちゃう。2時間目には戻りたいな。
詩織が「あの~」と声をかけると急に机の引き出しを開け始めた。
「これあなたのですよね?」
引き出しから何かを出した手を詩織に見えるように差し出した千堂。
その何かに目を向けると詩織は息をのんだ。
___キーホルダー!
千堂が持つ何かとはピンク色の勾玉キーホルダー。
詩織は「私の」と声が出そうになった口を閉じてから言葉を発した。
「似てるものなら持ってるんですけど......一回教室に戻って確認してもいいですか?」
「分かりました」