風紀委員長のとある事情
* ピンク色の勾玉キーホルダー *
両親は共働きで詩織を家に一人で居させるのは心配だったからか、
放課後はおばあちゃん家で夜遅くまで働くお母さんのお迎えを待っていた。
おばあちゃん家は町から離れた林の一本道に面する所にあり、その林に行くには一日わずかな本数のバスに乗らなければならない。
小学1年生になってばっかりだった詩織はバスに乗ることも出来なく鬱蒼とした林の中を歩くことも出来なくて、なんにも出来なかった。
だからおばあちゃんが毎日学校まで迎えに来てくれた。
小さなしわくちゃな手でいつも温かく詩織の手を包んでくれた。
おじいちゃんは病気がちでほぼ寝たきりだった。
それでもおじいちゃんは辛い体を押して詩織とおばあちゃんとの夜ご飯は付き合ってくれた。