風紀委員長のとある事情
そんな良質なソファーにまで苛立ち始めるほど神経を尖らせている詩織の隣に千堂が座る。
「甲斐原さん俺はあなたのことが好きです。お付き合いしてくれますか?」
そう喋る千堂のしなやかな指が持つのは詩織のキーホルダー。
「それは告白ですか?脅しですか?」
「まぁ一種の告白かな」
「でも付き合って最初に渡したら、私逃げるかもしれませんけど」
「あぁ、そこら辺はちゃんと考えてる」
詩織が言うと千堂はつらつらと説明する。
「俺たちの関係は来年の3月31日までの期限付き。
それまではキスだってそれ以上だってしていい恋人同士。
俺の言うことは絶対。
もし言うことを聞かなかったらキーホルダーは処分する」