風紀委員長のとある事情
間の抜けた声を出すと隙を狙っていたかのように、千堂が怒濤の追い打ちをかけてきた。
「お前の目から見たらどうか知らないけど、あいつイケメンで女子から結構モテて有名だし、
成績は俺に比べたら負けるけど、
あいつは運動神経抜群で中学の頃サッカーの全国大会で優勝した程だし。
本当にお前ぐらいしかいないと思う、あいつ知らない奴って、この学校でもこの地域でも...」
まだまだ続きそうな口撃を「ストップ!」と止めると、勝ち誇った笑いを浮かべた千堂はソファーに偉そうにもたれ掛かかる。
「行事とか......ほぼ出ないし......普段顔上げて...生活なんてしないし......」
詩織はダメだと思いながらも口からボロボロと出る言い訳に、千堂は二言だけ声をかけた。
「だからといって、白華学園の一生徒でありながら、生徒会長知らないなんてどうかと思うが。
あと行事にはちゃんと出て下さい、これは風紀委員長としての注意だ」
ごもっともな事に唇を噛みしめている詩織をよそに千堂はお弁当箱を開ける。