風紀委員長のとある事情
* 軽めの復讐を *
毎朝自転車で通っている詩織は、
自転車を手で押すという必要のない労力を使い、千堂と帰り道を歩んでいた。
千堂と会う前だったら、今この時間は夜ご飯を作っていたりしてるはず。
今から作んのかよ。
沈みそうな太陽を見つめてため息をつく。
絶対寝るの遅くなるし、
そのせいで朝起きるの遅くなる!
最悪の場合、
遅刻とかあり得るかも......
横で悠々と歩くノッポ野郎をキッと睨むとその視線に気づいたノッポ野郎は訝しげな顔をこっちに向けた。
「なんだよ」
「いいえ!なんでもございません!」
そんなこんなで見えてきた詩織が住む1Kタイプのアパート。