幕末の恋と花のかおり【完】
それからはもう、必死だった。
この時代にきてから幾つもの命を奪ってしまった。
そんな私が、するべきことは今、命をかけて町の人を守ることではないだろうか。単なるひとりよがりの自己満足かもしれない。偽善に見えるかもしれない。
でも、この思いに偽りなんてこれっぽっちもない。
話したこともなければ会ったこともない人たち。
あと何回、同じ空を見上げられるのだろう。同じ時をかんじられるのだろう。
山崎と出会ったこの場所を、ここに携わる全てのものを未来へつなげたい。
全ての人の〝誠〟を、語り継ぎたい。
だから、お願いします。
もう少しだけここで、戦うことを許してください。