幕末の恋と花のかおり【完】

なんとか担当の区域の住民を嵐山へ避難させることができ、十一番隊もそこへむかった。

「副長、ただいま避難誘導が終わりました。」

花織は土方に一礼をした。
今の私は十一番隊の組長だ。

「ご苦労。山崎が今、怪我人の手当をしている。お前はそれを手伝ってきてくれ。」

「はい。」

「ほかの隊士には屯所に戻る者とここで炊き出しをする者に分けるように伝えておいてくれ。」

土方はテキパキしている。花織はしっかりしている彼の姿をよく覚えておこうと思った。


「十一番隊、集合。」

人をまとめるということは未だに慣れない。

「はい」という力強い返事が聞こえたと思うと、直ちに十数人の隊士たちが駆け寄ってきた。
土方からの命令を伝え、日影で看護をしている山崎の方にむかった。



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