幕末の恋と花のかおり【完】
幕末から帰ってきて、早いもので一年の月日がたった。
気がつけば、もう高校二年生。
あれから、いろんなことがたくさん起こった。
先輩から部長に推薦されたり、テストで幕末のことが出題されて泣きそうになったり。
ひとりではどうしようもないことばかりだ。
そちらはどうですか、山崎さんーーーーーー。
実は、歴史を変えてしまうかもしれない予言書を渡す勇気がなくて、結局、私がいた部屋の机の上に置きっぱなしにしておいた。
だれかがよんだかも、わからない。
歴史が変わっていなければ、今日、一月十三日は山崎の命日だ。
そんな日に、私は修学旅行で京都の街をいわゆるいつめんで観光していた。
「花織〜!」
「ん?」
「なんでこの四条河原町ってこんなに混んでるの?」
梨花がいった。
「そりゃこんでるよー! だってこんなにいっぱいお店があるんだよ〜!」
花織が答える前に、あかりが興奮気味に答えた。
お昼ご飯は、祇園のカフェでとった。
かつて仲間達と通った祇園とは多少は変わっていたが、大きく変化したというよりも時代に合わせて柔らかく変わっていたという自然なものだった。