幕末の恋と花のかおり【完】
今日の朝餉の献立は、焼き鮭とほうれん草のおひたしと、ご飯とお味噌汁。
ものすごく美味しそうだ。
「松田くん。総司とトシはどこかな?」
近藤さんにそう問われたので、
「二人で仲良く後からくると思います」
取り敢えずそう答えると
「じゃあ、食べるか。いただきます」
近藤さんは号令を掛けた。
どれからたべようか。
そう考えている時、隣から箸が伸びてきた。
「花織の鮭もーらいっ!」
一瞬のうちに新八に、鮭を奪われた。
まるでどら猫だ。
「ちょっとしんぱっつぁん! 私の鮭返してよっ!」
そう言いながらしんぱっつぁんが箸で掴んだ私の鮭を箸で引っ張る。
「返せよっ!」
「嫌だね。大きい俺にはその分多く食料が必要なんだよー」
「だったら小さい平助から取りなさいよっ!」
「え? なんで僕??」
そのまま引っ張り合いをしていたら、
「「あ…」」
ピューンと鮭が箸から離れ、後へ飛んだ。
「あー! しんぱっつぁん!! 私の鮭がぁ!」
「あぁ…。俺の鮭が…。」
「お前の鮭じゃねぇよぉぉ!」
そして、取っ組み合いになった頃だった。
「しんぱっつぁん、花織…。
…うしろ……」
「へ??」
最悪の事態が発生した。