幕末の恋と花のかおり【完】
平助が青い顔をしながら見つめる先を花織たちもみた。
その瞬間、気絶するかと思った。
「あぁ!? また花織かぁ? 新八、花織。
てめぇらなにしたかわかってんのか?」
視線の先に鬼がいたからだ。
何が起きたかわからない。
そんな思いで目の前に座っていた斉藤さんをみた。
「いま、新八と松田が取り合いしていた鮭が、土方さんの顔にぶつかった。」
斉藤さんの言葉を聞いて、私としんぱっつぁんは目配せをする。
そして、軽く愛想笑いを浮かべた。
するとそこから、土方さん(もはや鬼)の長ったらしい説教が始まった。
「ったく…。花織が入隊してから三馬鹿が四馬鹿になった」
だとか、
「花織の行動は女子だと思えん」
そんな小言をブツブツといっていた。
……ほとんどが花織についてのことだった。