幕末の恋と花のかおり【完】
本日二回目の鬼の説教がようやく終わった。
ーーーやっと朝餉が食べれる…。
「いただきます…って、おひたしがないっ!」
まさかとは思うけど…
「左之さん。私のおひたししらない?」
「お前のおひたし? ああ、それはとっくに俺の腹の中…ってうわっ!」
やっぱりお前だったのか…。
「うわっ!じゃないですよ?左之さぁん?」
「わるかった、花織!!
だから許してくれっ!!」
「はぁ?ゆるすかよ!
おひたしもかわいそうだな…。変態左之さんに食べられちゃうなんて…。」
「変態とか誰のことだよ」
「はぁ?どっからどうみたってあんたでしょう!?」
「俺は変態じゃねぇ!! 」
「変態でしょっ! 毎日どっか行っておしろいの匂いつけてかえってくるじゃん!!」
「変態で何が悪い!!」
「何開き直ってんだよ」
そんなくだらない言い合いは、
「原田君、松田君。食事くらい静かに取りなさい」
総長の山南の一言で終わってしまった。
「…すみません」
私も左之さんもなんとなくしょぼくれる。
「左之さんと花織、なんか犬みたい」
「そういう平助のほうが犬っぽいわ!」
こんなふうに、賑やかに朝餉をとり、普段と何も変わらず明るく一日が始まった。