幕末の恋と花のかおり【完】
そして、食べ終わって町を歩いていた。
すると、人だかりができていた。
なんだろう、と思ってその人だかりを覗いて見た。
その中には、一人の私と同い年くらいの女の子が立っていた。
武士のような人が女の人を囲んでいる。
それを見て、私はその人だかりの中に走って行った。
「なんの武器も持っていない小さい子供に暴力ふるうなんて真の武士じゃないと思います」
女性は男の子をかばいながらそう言う。
「女のくせに生意気言ってんじゃねえよ!」
武士がそういって、女の人にむけて刀を抜いた。
周りの人たちもざわざわしだす。
「やめてください」
私は自分でもびっくりするくらい低い声で言った。