幕末の恋と花のかおり【完】
「よう似合っとりますなぁ。」
きちんとした衣装に着替え、髪の毛を島田に結ってもらい、おまけにお化粧までしてもらい、女将さんに褒められ、照れてしまった。
「そんなことありません!」
そのとき、襖があいた。
入ってきたのは、桜という女の子。
彼女は、幕末に来た日に浪士から助けた人で、なんと、このお店の芸妓だったのだ。
「うわぁ。花織ちゃんかわいおす〜!」
「そんなことないよ!」
「あんな男所帯に住んではるのが心配やわ!」
さすがはおもてなしのスペシャリスト、芸妓。うまい事言うものだ。