幕末の恋と花のかおり【完】
そして、夜ーーーー
花織と桜は長州の人達のお座敷に上がることになった。
「夕霧どす。よろしゅうお頼もうします。」
夕霧というのは、桜の源氏名。
「花織ちゃん、はいって。」と桜ちゃんに耳打ちされ、前へでる。
「今日から寄せてもらいました。花香どす。よろしゅうお頼もうします。」
私の源氏名は、花香だ。
「新選組の屯所を襲撃して、成功した暁には、俺たちは英雄だ!」
私が酌をしていた下品そうな男が叫んでいた。
ーーーこの人達は、本当に屯所を襲撃するつもりなんだ...
皆が負けるようには思えないけれど不安なものは不安だ。