幕末の恋と花のかおり【完】



「よし全員集まったな」


土方がそういうと、いつものとおり、室内の空気がかわった。


「最終の打ち合わせをする。


なにか、伝えておきたいことはあるか?」


ーーーー伝えておきたいこと......



「あの」


花織がいった。


「平助くんは絶対に鉢金をはずさないで。


しんぱっつぁんは、左の親指に注意。



それと沖田さんは、絶対に一人で行動しないでください」



史実通りにいけば池田屋事件で、平助は油断をして鉢金を外した隙に眉間を斬られ、重症を負う。


永倉は左の親指を切られ、沖田はあの不治の病と言われていた




労咳を




発病してしまうのだ。



花織には、事件がおきるのは池田屋だと伝えて大きく事件の歴史を変える勇気はなかった。



それでも、新選組の皆に...仲間にできるだけ怪我を追わせないようにはしたかった。




そんな思いが詰まった発言だった。












< 55 / 130 >

この作品をシェア

pagetop