幕末の恋と花のかおり【完】



そして平成で言う午後十時、幕末でいう亥の刻。



花織たち新選組は会津藩との待ち合わせ場所で会津藩を待っていた。


しかし、集合時間を過ぎても現れる気配がない。



「近藤さん、会津藩のやつら遅すぎねぇか?」


そう発したのは永倉だった。



そうだなと答える近藤も待ちくたびれているようすだ。



「近藤さん、俺たちだけで突入しねぇか?」


土方の言葉にそうだという声が隊士たちからも次々と上がる。



その声に背中を押された近藤は、



「じゃあ、我らで突入をするぞ!」


と隊士たちにさけんだ。




「「おぉー!」」


威勢の良い返事を聞いて、それぞれ四国屋と池田屋へ歩き始めた。







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