幕末の恋と花のかおり【完】


そんな山崎の心配をよそに、池田屋では、戦いが始まろうとしていた。



「安藤! 新田! お前らは裏口に回れ!」


安藤、新田……。
花織にはその二人の名前が妙に引っかかった。


「新選組、まいるぞ!」


近藤の潔い号令によって花織は考えることをやめた。



「おう!!」



そしてーーーーー


「新選組だ! 御用改めである!



手向かうものは容赦せぬ!」




長い、長い夜が始まった。







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