幕末の恋と花のかおり【完】
「松田、沖田!二階を頼む!」
花織と沖田はその命令を聞いて階段を駆け上る。
一番手前の部屋の麩を勢い良く開けた。
するとそこにいたのは、たくさんの浪士たちだった。
「新選組だ! 手向かうものは容赦しない!」
花織は叫んだ。
「新選組…!」
浪士の一人が刀を抜いて花織たちに向けると、他の浪士たちも刀を抜き、花織と沖田を囲んだ。
そして、沖田と花織は背中合わせになった。
「沖田さん。なにがあっても死なないでくださいね」
「花織ちゃんこそ」
後ろから味方の暖かさが伝わって来た気がして花織は少しだけ安心をした。