幕末の恋と花のかおり【完】



はじめ、と審判の力強い声が響いた。


構えて、間合いを詰める。
相手と目が合った。

その刹那。


「お前クラスだったら余裕だろ」


コーチの言葉がリフレクトする。

(まけちゃったら、どうしよう)



それから、私の剣道は焦ってどんどん酷いものになった。

相手が隙をみせてないのに、打ち込んでいって当たらない。

でも、


準決勝は、最後の十秒で、一本を決めてなんとか勝ち上がれた。


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