幕末の恋と花のかおり【完】



試合後のミーティング。

「松田! お前何やってるんだよ! 全国大会であんな剣道して恥ずかしくないのか!」

怒鳴られる。

「すみません」

頭を下げた。自然と涙もこぼれる。

「だらしねぇ奴の涙なんて見たくねぇんだよ!
泣くくらいなら全力を尽くせば良かっただろ」

私たちの円陣の横を通り過ぎていく選手たちの目線が痛い。

「どうしても、体が動かなくなっちゃって……」

膝がガクガクして力が抜けた。
どうしても立ち上がれない。

「先生、もう辞めましょう。これ以上は……」

試合を見に来てくれてたOBの祐也さんがコーチを止めてくれたおかげで説教は止んだ。



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