幕末の恋と花のかおり【完】
「お前、刀をつかえるか?」
テンションマックスの私に土方はそう聞いた。
「刀はつかえるかわからないですけど、木刀とか竹刀なら使えます。」
「腕は?」
「一応、全国で二位です」
新選組の隊士たちは、驚いている。
無理もない。こんなにフラフラしている人間が全国二位なんて、自分でも信じ難いのだから。
「いいこと思いついたぞ!」
突然近藤が叫んだ。
「隊士にならないか?」
その言葉には、花織自身もかなり驚いて声も出なかった。
当たり前だが、花織は刀を振ったことがない。
その不安が胸をよぎる。
「まあ、取り敢えず道場で入隊試験しましょう!」
しかし花織はなぜか嬉しそうな沖田に引っ張られ、道場で入隊試験を受けざるを得なくなったのだった。
そして、この入隊試験で、松田花織という一人の少女の運命は大きく変わることとなる。