如何にして、コレに至るか

「私の……部屋?」

自分でも理解不能。
けど、脳で認識したことはそれ。

ここ、私の部屋だ。
八畳ワンルームのアパートの一室。

フローリングに猫の足跡柄のボア絨毯を敷き、その上にはコタツ。絨毯は猫なのに、コタツ布団は犬の模様というちぐはぐな部屋は、アパートで一人暮らしする前から見慣れた物。

隅にあるベッドは、パイプ式の安物だ。こちらはクマ柄の布団。ファンシーな柄が多いのは、小さいときから使っていた物だったからだ。新しい物を買う余裕がないから、昔から使っていた物を持参した私の部屋が、目の前に広がっていた。

他にも、大学の参考書を入れているカラーボックスや、洋服を収納するチェストまで定位置にある。


狐につままれた気分に陥る。
なんで、私の家具がここに。

ここは一軒家で、アパートじゃないのに。
一気に考えることが増えたが、それらが、“そっちのけ”となる物が部屋の中心部に立っていたのだから、意識はそちらに向く。

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