遊園地は眠らない
暗い園内に出ると、自然にみんなが雅哉のもとに集まった。

「どこにスタッフがいるんだ?」

駿が周りを見渡す。

「アナウンスをしている部屋へ行けば誰かいるだろ」

雅哉も同じように辺りを見ている。

「ウチ知ってる」

七海が声を出した。

「え? お前知ってるのか?」

「うん。ウチの妹さ、小さい頃ここで迷子になったことがあるの。その時、迷子のお知らせをしてくれた部屋みたいなところがあったよ」

そう言うと、七海は「こっち」と右手に向かって歩き出す。

「行こう」

駿がさっき萌絵にしたみたいに、私の肩にポンと手を置いた。
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