遊園地は眠らない
「ねぇ、もう帰ろうよ」

萌絵が鼻水をすすった。

「…」

黙って雅哉が萌絵を見下ろす。


その目は、冷たい。

「だってさ、ここおかしいよ。こんなの普通じゃないよ」

「まだやめられない」

その言葉に萌絵が息をとめる。

「まだ…続ける…の?」

「チーム戦だろ。ここでお前が棄権したら、俺ら全員失格になるかもしれねぇだろ。殴ってでも最後まで付き合ってもらう」

「雅哉。賞金なんかもういいじゃん」

七海が雅哉の腕をつかんで静めようとするが、
「触んな」
と振り払われる。
< 119 / 351 >

この作品をシェア

pagetop