遊園地は眠らない
ガラスケースにまたスタンプカードを置いた。

「これが3つめ…」

なんだかずいぶん長い時間が経っているような気がしていたけれど、これでやっと半分だなんて。


もうあれから何時間たったのだろう。


目覚めた時間がわからないから、いったい今が何時なのかすらわからない。

「早く座れよ」

後ろから乱暴に押されて、私たちは中へ。

天井から降りているいくつもの棒に、馬や馬車がついている。

暗闇の中当てられた照明で光るそれらは、異様な光景に見えた。

馬の顔がやけにリアルに見えて怖い。

雅哉が率先して馬にまたがる。

駿はその後ろの馬。

迷いながらも七海は駿のとなりにある小さな子供用の馬に腰かけた。
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