遊園地は眠らない
七海の動きがピタッと止まった。

そのままの姿勢で動かない。


「…さい」


音楽に消えながら、声が聞こえたような気がした。

「うるさい、うるさい、うるさい! うるさい!!」

突然、七海が振りかえって叫ぶ。

目が完全にすわっている。

憎々しげに私たちを見渡した。

頭部から流れた血が、こめかみを流れている。


「お前らうるさい! ウチは生きて帰る! お金なんかいらない!!」


誰もが言葉を失った。

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