遊園地は眠らない
まだ気分が悪い。

今にも吐きそう。

「さっきのは夢じゃないんだね?」

念のためそう尋ねるが、駿は悲しい表情で目を伏せるだけだった。

「雅哉さん…は?」

姿が見えない。

もうひとりで賞金をとるために動いているのだろうか?

「夢くんを一応探す、って。あと、さっきの小屋にも行くんだって」

「そう…」

メリーゴーランドはまだそばにある。

ここからは七海は見えないけれど、あの光景が忘れられない。


息が苦しい。


「大丈夫か?」

そう言うと、駿は私の手を握った。
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