遊園地は眠らない
「駿君…」

「こんなことになるなんてな」

「うん…」


普段ならこんなうれしいことはないのに。

感覚がマヒしていて、うまく反応できない。

でも、つないだ手から駿の体温が伝わる。


足音が聞こえ、雅哉が向こうから歩いてきた。

「いねぇ」

そう言って、地面にツバを吐き出す。

「雅哉」

駿が手を離して立ち上がった。

「俺はやめない」

言われるとがわかっていたかのように、すぐに言った。
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