遊園地は眠らない
「かわいそうに」

そう言いながらも、萌絵も気が気でない。

下沼さんが雅哉たちのターゲットになっているから、萌絵も救われているのだ。

そうでなければ、彼らは萌絵を驚かせて楽しむに違いない。


それは・・・本当の友達ではないから。


もともと仲の良かったみんなとは違い、萌絵はまだ友達歴も浅い。

彼らとの関係は必ずしも同等ではなく、少し下に自分が位置すると思っている。

「ほんと、友達やめたい」

無意識につぶやいた言葉に、それが自分の本音だということに気づき、萌絵は立ちどまった。


「そっか・・・」
はじめて感じる違和感だった。

雅哉や七海のような気の強い人たちより、他の人との方が楽しい毎日なのかもしれない。


でも、今さらこのグループを抜けることはできない。
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