遊園地は眠らない
不機嫌そうに雅哉が振りかえる。

「また殴られてぇのか?」

「行こう」

駿があきらめた口調で言うのに促され、歩き出した。

自然に隣に並ぶ。


「本当に、下沼さんなのかな?」

そう言うと、前を向いたままで駿は、
「わからない。けど、咲弥も見ただろう?」
と、言う。


___呼び捨て


体がビクッと震えた。

駿が私を呼び捨てで呼んでいる・・・。

こんな大変な状況というのに、私の口元は気をつけないとにやけてしまいそう。
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