遊園地は眠らない
ようやく、遊園地の奥の方と思われる場所まで来ると、駿が立ち止った。

辺りを観察し、肩で何度も大きく息をする。

「・・・雅哉は?」

そう言われて振り向くが、いつの間にかはぐれてしまったようだ。

そばにあったベンチに倒れるように私は身を投げた。

こんなに走ったことない。

恐怖と相まって、意識が飛んでいきそう。

汗が全身から吹き出ている。

「大丈夫?」

駿がまだ荒い息を整えながら隣に座った。

「うん。でも、萌絵が・・・」

名前を出すと、さっきの光景が否が応でもよみがえる。

「ああ・・・」

駿も顔を歪ませて、頭をかかえた。

「なんでだよ。いったいどうなってんだよ」
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