遊園地は眠らない
「なぁ、咲弥」

「は、はいっ」

まだ名前で呼ばれるのに慣れない。


こんな状況じゃなかったら、どれだけいいか。


そんな私の気持ちも知らずに駿は私を見た。

「このアナウンスの声、下沼さんじゃないか?」

「え?」

「今、言ったよな。『私が負けるか』って。私、って・・・」

「下沼さんの声? うん・・・言われてみれば・・・」

そう言ってみるが、下沼さんの声を思い出せない。

あいまいな私に物足りないのか、
「そうだって。あいつ、俺たちを殺すためにこのゲームをやっているんじゃないのか?」
と、尋ねた。
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