遊園地は眠らない
ミラーハウスの中は、これまでで一番明るかった。

昼間の教室のようにまぶしい。

鏡でできた迷路。

すべての壁が鏡になっていて、まるで大勢の人が歩いているように自分たちの姿がいくつも映っている。

「ついてこいよ」

雅哉が、右手で鏡をさわりながら、ゆっくり歩き出す。

「はぐれないで」

少し後ろを向いて言ってくれる駿。

「うん」

頬が上気しているのは、こんな幸せ感じたことがないから。

いつも遠くで見ているだけだった人が、こんなにそばにいて私に話しかけてくれる。


それは、まるで夢のよう。
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