遊園地は眠らない
「俺や咲弥は、下沼さんにそんなひどいことはしていないと思うんだよ」

そう言って私をチラッと見たので、うなずいた。


下沼さん・・・。


あまりよく思い出せないけれど、特になにかした記憶はない。

「関係ねぇよ。お前さ、もうこの話すんな」

切り捨てるように言うと、雅哉は立ち上がった。

横顔がまた怒っている。

「でも」

「言ったろ。ほら、行くぞ」

左の道へ歩き出すので、私たちも黙って立ち上がって後を追った。

左の道は、さらに薄暗い。

さっきまでの明るさがウソのよう。

「気をつけろよ」

何に対してかわからないが、そう駿が前に声をかけた。
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