遊園地は眠らない
右へ、左へ。

たまに雅哉がガラスにぶつかる音が聞こえた。

慎重に進んでゆく。

と、
「あれ」
すっとぼけたような声が前方から聞こえた。

雅哉が立ち止っている。

「どうした?」

駿が尋ねながらのぞきこむ。

「あれ、誰だ?」

ゆっくりと指さすその先。

暗くてよく見えないが、何枚かのガラス越しに・・・。

「ウソ!」

思わず声を出してしまった。

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