遊園地は眠らない
頭の中で警告音が鳴り響いた。

でも、私はなにも言えない。

ヒュッ
と、風を切った音がしたかと思うと、その破片が次の瞬間雅哉の肩に刺さった。

「ぐあっ!」

雅哉の体が揺れた。

肩から血が噴き出す。

「ぐ・・・」

雅哉が自分の肩に刺さった破片を抜こうとつかんだ。

深く刺さっているのか、力を入れても抜けない。

その目が下沼さんを見る。

「お前・・・」


ふたつの破片が宙にのぼってゆく。


それを私は信じられない思いで見た。
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