遊園地は眠らない
「いつでもどうぞ」

目の前に座った女性は、口元に微笑みを浮かべてそう言った。


真っ白い部屋の真っ白な机で向かい合っている私たち。

他には誰もいない。

私の赤い服が、白で統一されているこの場所で浮いているようで恥ずかしくなる。

・・・もっと、地味な服で来ればよかったな。

人生初の取材。

私がこれから話すことが、週刊誌に掲載され、やがてそれは全国ニュースでも取り上げられるだろう。

目の前のインタビュアーは、40代くらいのきれいな女性。

頭の良さそうな顔つきを、ゆるいパーマがその印象をやわらげている。

< 2 / 351 >

この作品をシェア

pagetop