遊園地は眠らない
雅哉の体はその衝撃で一瞬動いたあと、もう動かなくなった。

生け花のように、雅哉の体に無数の破片が刺さっていた。

「いやあああ!」

自分の声じゃないくらいの悲鳴を上げていた。

グイッと腕をつかまれる。

「やめて! いやぁ!」

逃れようと腕を振り回す。

「咲弥!」

私の腕をつかんでいたのは駿だった。

「とにかく逃げよう」

その声でハッとする。

下沼さんを見ると、ゆっくりとこっちに体を向けている。

その口元が。

ニヤリと笑った。
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