遊園地は眠らない
ギシッ

大きな音がして、懐中電灯の光が室内を照らした。

躊躇しているのか、なかなか進んで来ない。

「早く歩いてよ」

萌絵の声があせっている。

「でも・・・」

「行ってってば」

「キャッ」

押されたのだろう。

下沼さんの手から懐中電灯が転がり落ちた。


そのまま転がって壁に当たって止まる。

誰かの手が伸び、そのスイッチを切った。

萌絵も慌てて自分の光を消した。
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